美味しい能登の幸「ぎばさ」の悲恋物語

世の中にはまだまだ知らない食べ物

が多い様です。

 

初めて出会った「能登の幸、ぎばざ」

早春の海の香が拡がります。

よく沸騰させた湯の中に

ぱぁーと散らすと瞬く間に

美しい緑色になります。

少し粘りますが、

しゃっきとした食感が好きで、

それからスーパーで

見かける度に購入致しました。

 

少し暖かくなると

店頭から姿を消しました。

 

能登の知人に聞いてみると、

寒い時期の食べ物の様です。

 

そんな時図書館で出会った書物

金沢「味の四季」に「ぎばさ」が

掲載されているではありませんか。

 

「ぎばさ」はホンダワラの若芽のこと。

その名前がつく様になったのには

ある歴史上の悲しいお話はあったからなのです。

 

義経が頼朝の追及を逃れてみちのくへの旅路に

石川の方にやってきたのは衆知の事。

義経の妻は平時忠氏の娘「わらび姫」。

時忠氏は、能登のはずれ大谷の里へ流され、

わらび姫も大谷に住まいしていました。

そのわらび姫に会いにきた義経の馬に

ホンダワラを与えた事から

その名前が付いたと言われています。

 

義経の馬の草

  ↓

義馬草

  ↓

ぎばさ

 

来年からぎばさを食べるたびに

きっと「この悲しく恋しい物語」を思い出す事でしょう。