和装新郎新婦さまにとって大事な「末広がり」

金沢21世紀美術館では

「倍広庵コレクション 美人画の雪月花」

が開催されています。

私の父も美術品に関心を持ち収集、

所有しているお軸の中に

美人画が何点かあったのを思い出しました。

 

マイオフィスも21美に連携して

「女性美のお祭り」を企画中

明日は2階屋根裏に探索に入ります。

 

ところで今日は扇子のお話です。

 

和装婚礼衣装には欠かせない扇子のお話です。

結婚式衣装の小物として登場する扇子は

祝儀扇」と言います。

めでたい席ではその形状から

末広がり」と称しています。

(いかにも縁起が良いでしょう?)

男性用と女性用では

紙や骨が素材から違います。

 

花嫁様の胸元には「はこせこ」「懐剣」「すえひろ」

それぞれに意味がありますが

今日は「すえひろ」のお話だけに致します。

和装花嫁衣裳は

江戸時代の武家娘の最礼装です。

 

扇にはいろんな役割があります。

結界 

歌舞伎や茶道などのご挨拶の時、

畳や床の上に扇子を置く姿をご覧になった

事はありませんか?扇子ひとつで

是よりこちらは我が領分、彼の側はそちら側と

はっきり区切りが出来ます。

 

受盆として

お札や書き物、ラブレター?の受け渡しや金銭の受け渡しなどの、

受け盆の役割

隠す

見せたくないものなどを

覆って隠す小物としても使います。

昔は恥じらって扇子で顔を隠す娘さんが

多かった様です。

◎いざという時には身を守る武器にも。

 

といろいろ列挙致しました。

いろんな使い方はありますが、

「扇ぐ」役割は重要視されていません。

 

熱いからといって

花嫁様が

扇子を拡げて扇ぐのはNGです。

 

最近花婿様が

花嫁様を扇子で扇ぐ姿を

見かける事がありますが、

新郎様の扇子の主なる意味は

刀を持たざる時の武器の役割

大きいのです。

「ダメ」とは言いませんが

それではいざという時に

花嫁を守れない事になります。

 

日本の婚礼文化は面白い。

一つ一つの意味を知る事で

お二人のご結婚が

より深い絆で結ばれます。